フィトケミカル、ポリフェノール、アルカロイドetc.

 植物由来の成分として、フィトケミカル、ポリフェノール、アルカロイドなどカタカナ言葉がよく登場します。銀杏葉に関しては、さらにフラボノイド、テルペノイド(テルペンラクトン)という用語も用いられます。そこで、これらを一度整理しておきましょう。なお、分類の仕方の基本は、ウィキペディアにならいました。
(注)銀杏葉エキスに含まれる成分銀杏葉α(アルファ)に配合されている銀杏葉エキス以外の成分は、それぞれ色変え表示しました。

 植物性栄養素
 たんぱく質、脂肪、炭水化物=糖質(ブドウ糖、果糖、蔗糖、デンプン)、食物繊維(オリゴ糖、セルロースなど)、ビタミン、ミネラル
 フィトケミカル
 通常の身体機能維持には必要とされませんが、健康上良い影響を与える植物由来の有機化合物
 アルカロイド
 窒素(主としてアミノ基)を含み塩基性(例外あり)の有機化合物をいい、多くは動物から植物自身を防御するためのもので、大半は毒性を有しますが、そうであるがゆえに薬として利用されるものも多いです。例えば、モルヒネ、コカイン、ニコチン、カフェイン、キニーネ(マラリア治療薬)、コデイン(鎮咳薬)、ツボクラリン(筋弛緩剤)、コルヒチン(痛風鎮痛剤)といったものがそうですし、近年では抗がん剤として利用されるものが随分とたくさんあります。
 なお、ヒハツの主成分ピぺリンもアルカロイドの1種で、即効性の抹消血流改善作用があります。

 このように、人体への影響ぐあいから、以上のように3つに大別されます。ただし、アルカロイドでもあるカプサイシン(唐辛子の主成分)などを下記に例示したようにフィトケミカルに加える場合もあります。

 フィトケミカルに分類されるものは非常に多く、その化学的特性から次のように分類されます。(*印については、別途例示)
 ポリフェノール *フラボノイド
         *フェノール酸
         *フェニルプロパノイド
         *シゲトン類 
 テルペノイド  *カロチノイド
         モノテルペン(例:柑橘類のリモネン<抗アレルギー作用>)
               (例:メントール<口中清涼剤>
         フィトステロール(例:植物油に含有<コレステロール減少>)
         グリチルリチン(例:甘草の主成分<抗炎症作用>)  
 硫黄化合物   システインスルホキシド類(例:ニンニクの成分<解毒作用>)
         スルフィン類(例:ニンニクの成分<抗酸化、動脈硬化改善>)
 糖化合物    多糖類(例:キノコのβグルカン<免疫力強化>)
         配糖体(例:サポニン<去痰・界面活性作用>)
 長鎖アルキルフェノール誘導体(例:唐辛子の主成分カプサイシン)

 ここまで来ると、難しくて小生も知らないものが多くなりますが、全部を覚える必要はないでしょう。
 これらの中で代表的なもの(上で例示しなかったもの)を紹介しましょう。
 
 ポリフェノールは有名ですから、先ずこれに属する主なものを列記します。
 フラボノイド カキテン       お茶          抗酸化作用
        アントシアニン    ブドウ・ブルーベリー  抗酸化作用
        イソフラボン     大豆     女性ホルモン類似作用
        ルチン(ビタミンP)  ソバ      抗酸化・抗炎症作用
        ヘスペリジン(〃)  柑橘類の皮       抗酸化作用
        レスベラトロール  赤ワイン(ブドウ) 酸化作用、長寿効果?
        二重フラボン    <銀杏葉に特有>     抗酸化作用        
 フェノール酸 クロロゲン酸  コーヒー・ヤーコン  抗酸化作用
 フェニルプロパノイド セサミノール(セサミン)胡麻 抗酸化、動脈硬化改善
            タンニン 植物の渋味成分 [健康上好ましくない物質]             
 シゲトン類  クルクミン  ウコン 抗酸化・抗炎症作用、肝機能改善

 テルペノイドは馴染みのない言葉ですが、この中にカロチノイド(カロテノイド)が含まれ、これに属する主なものを列記します。
 カロチン(カロテン)カボチャ・ニンジンなどの橙色色素    抗酸化作用
 アスタキサンチン  甲殻類の皮、鮭の肉などの赤色色素    抗酸化作用
 ルテイン      ホウレンソウ・ケールなど(青色光を吸収)抗酸化作用
 リコペン      トマト・スイカなどなどの赤色色素    抗酸化作用
 クロシン      クチナシの黄色色素   抗酸化作用、脳(海馬)血流増強

なお、銀杏葉に特有のテルペノイドとして、次のものがあります。
 ギンゴライト  抗炎症作用
 ビロバライド  脳(海馬)血流増強


 以上、フィトケミカルに分類される化学物質をいくつか挙げましたが、実際にはこれだけではありません。まだまだ化学物質として特定されていないものが数多くあり、今現在判明しているものは抗酸化作用物質ぐらいなものでして、全体のごく一部でしかないと考えた方が良いでしょう。

 そもそも植物は動物よりずっと進化した生き物であって、エネルギーの缶詰を作る葉緑体を持っているのですし、太陽光という電磁波が発生させる活性酸素を消して有機物の破壊を防止しているのですし、動物という捕食者から身を守るために毒を製造しているのです。この3つの特性を動物である人間は、植物性栄養素としてエネルギーを得ているのですし、フィトケミカルとして健康に良い影響が与えられるのですし、アルカロイドの中から薬を得ているのです。
 しかし、植物本来の生命力に関しては、西洋科学では、まだほとんど解明されていません。
 例えば、灼熱の砂漠で植物が高熱で煮えてしまわないのはなぜか、極寒の地で植物が凍ってしまわないのはなぜか、高温から氷点下への日変化や季節変化があっても生きていけるのはなぜか、という温度変化に対する耐性の仕組みです。
 これと密接な関係にあるのが、ヒトの基礎代謝の制御の仕組みです。
 この点に関して、東洋科学では、仕組みを解明するのではなく、現象を理解するという手法でもって、植物本来の生命力を見い出し、それを人間に利用しようとします。つまり、体を温める植物は何か、その部位はどこか、体を冷やす植物は何か、その部位はどこか、ということについて、数多くの臨床例を積み重ね、その深い経験でもって、人間の基礎代謝の制御に上手に活用するようになってきています。さらには、それに熱を加えて煮たものはどうなるか、発酵させたものはどうなるか、ということについても深い知見を得ています。
 そして、これを陰陽(冷・温)食品表で示したり、調理・食品加工の方法を説明してくれています。

 こうして、フィトケミカルは西洋科学で「通常の身体機能維持には必要としないが、健康上良い影響を与える植物由来の有機化合物」と定義されるのに対して、東洋医学では、フィトケミカルに相当するものは「身体機能の維持のみならず、その向上に必要不可欠なものであって、健康のためになくてはならない植物がもたらしてくれる恵み」と定義される性質のものです。

 今後、西洋科学のフィトケミカル分野における化学物質の解明は、抗酸化作用物質以外に、抗炎症作用、免疫増強作用、ホルモン様作用などの物質の特定が少しずつ進んでいくと思われますが、その食習慣の違いから、最も肝腎な冷性・温性作用物質の解明については期待できそうにありません。なぜならば、肉は強い温性作用物質であり、これを常食している限り、冷性・温性作用を自覚することができないからです。自覚できなければ、研究の出発点において、研究テーマとして取り上げられることはあり得ないですからね。
スポンサーサイト

コメントの投稿

非公開コメント:

管理人のみ閲覧できます

このコメントは管理人のみ閲覧できます

トラックバック:

http://kmiyake.blog.fc2.com/tb.php/71-3ddea6e7

プロフィール

薬屋のおやじ

Author:薬屋のおやじ
岐阜県羽島郡岐南町三宅5丁目39で、薬屋:三宅薬品をやっています。全薬工業の養生食品、養生漢方などを取り扱っています。生涯現役をモットーに、お客様皆様が百歳すぎまで健康でお暮らしいただけるよう、精一杯お手伝いさせていただきたいと思っております。無料健康相談を承っております。電話058-246-7970(電話は火曜~土曜日、9時半~18時にお願いできると有り難いです。)

検索フォーム

カテゴリ

リンク

最新記事

最新トラックバック

最新コメント

RSSリンクの表示

ブロとも申請フォーム

QRコード

QR